地獄の奇術師

地獄の奇術師 (講談社文庫)

地獄の奇術師 (講談社文庫)

初めて読む作家さん。探偵役は女子高生。…やはりあんま好きになれんわ…森氏の作品に出てくるような女性だったら、好きになれるのになあ。どうしても、ずうずうしいなあ…という思いが出てきてしまう。警察の人たちも、プライドはないのかよ!?みたいな…(笑)。なので、推理が外れたことは「ざまぁw」て思ってしまった…許せ。
それをのぞけば、内容はなかなか面白かった。ちょっと古典的な香りがするので、読んでてドキドキしたな〜。でもなんだか、その古典的な雰囲気が、登場人物の生きてる世界とマッチしていたかといえば、どうかな、と。金田一みたいな漫画だと、すんなり読めるんだけど…不思議だわ。「地獄の奇術師」という犯人の名前を素で口にしてるあたり、何だか恥ずかしくなってしまう(笑)。
本筋。なかなかにグロイ殺人描写が最初に…おえええ。正体不明の不気味な人間が神出鬼没なのも相乗効果で、物語の嫌〜な雰囲気を演出していたかと。
真相。…私はこの手の犯人に全く気付かないタイプみたい(笑)。予想してなかったわ。でも、カトリック云々に関しては若干、唐突な気がせんでもなかったかなあ。牧師が出てくるから、それほどいきなりではなかったけども。古典的な演出で事件が進んでいっただけに、動機に関係してカトリックがなんとかかんとか…てのは、ちょっとちぐはぐだったような。ま、それはそれで面白い動機だったけれど。
で、あの大量の注釈は必要だったのだろうか…。
1992年8月刊行。