詩的私的ジャック

詩的私的ジャック (講談社文庫)

詩的私的ジャック (講談社文庫)

四作目読了。舞台は大学、てことで想像もしやすく、面白かった。
今作では萌絵の犀川に対する恋心が大爆発だった(笑)。事件がどうでもよくなった、と感じた場面が二回ほどあって、ニヤリと。犀川犀川で、なかなかスルリとかわすし、まどろっこしい!!(笑)
この作品だったかこれまでに読んだ作品かは忘れたけど、犀川が萌絵の思いについて、気持ち(感情だっけ?)と思い込みは違うみたいなことを考えていた(言った?)が、それを言ったら元も子もないよ…。萌絵も反論していたような気がする。が、しかし。今回男性が男性を愛するということが絡んでおり、それに対し萌絵は「理解できない。後付の思い込みだわ」とばっさり切り捨てていたことに、彼女に対する矛盾を感じた(笑)。
ストーリー。S女子大、T大、萌絵の通うN大で次々と起こる殺人事件。遺体は下着一枚、しかも腹部には刃物で傷が付けられているという異常な状態で発見される。これらの殺人事件は、結城稔というN大生であり人気ロック歌手の歌詞に関連付けられているようで…。しかも被害者は彼と面識があった。犯人は誰なのか、また何故遺体に細工をして発見させたのか、歌詞と事件は本当に関連があるのか…など今回も謎がいっぱい。
四作目までは再読で、次からは初めて読むことになる。二人の関係がどうなるか楽しみ(笑)。しかし萌絵の奇妙なファッションは、これからもずっと続くのだろうか。頭が良くて美人でお嬢様なのに、珍妙で奇抜な服装なのはいかがなものか…(笑)。