屍鬼

屍鬼(一) (新潮文庫)

屍鬼(一) (新潮文庫)

屍鬼(二) (新潮文庫)

屍鬼(二) (新潮文庫)

屍鬼(三) (新潮文庫)

屍鬼(三) (新潮文庫)

屍鬼(四) (新潮文庫)

屍鬼(四) (新潮文庫)

屍鬼(五) (新潮文庫)

屍鬼(五) (新潮文庫)

まとめて画像を並べてみたが…文章を書く前にすでに長い(笑)。ううむ。
この作家の小説を読むのは初めて。ドキドキ…。吸血鬼…の話。ファンタジーホラーですな。漫画にしたら面白そうだな〜と思ってたら、今されてるみたいだね。絵だけ見たけど、いい! 完結したら読む(笑)。
いやー長かった。読み終えるまで。ファンタジー色が若干ありながらも、田舎独特の閉塞感、古いままの老人達、それを嫌がる若者、逆にそれを受け入れている若者、嫁姑問題…といった社会的な問題も含んでる。登場人物も、それはそれは多いので色んな考えを持つ人がいて、どの人の考えることも、ちょっとずつ理解できたりする…。
で、人の多さだけど。新しい名前が出てくる度に紙にかいて、家系図とか関係図を書いてた(笑)。役に立ったような立ってないような(笑)。でも、誰と誰が仲いい、仲悪いと書いたのは役に立ったかも。特に老人。
主にメインの登場人物の印象をちょっと書いてみよ。
静信→僧侶兼作家。書いてる小説、かたくて分かり辛かった…(笑)。この人は…何となく掴み辛い。迷える僧侶…と言ったとこだろうか…。個人的には、ちょっと苦手。ラストの行動も痛々しいとしか…くっ。
敏夫→村医者。好き(笑)。後半のマッドサイエンティスト的な行動はちょっと…目を覆うものがあったけど、それでも静信がそれを責めるシーンは、「もうそのへんでやめといたれよ…」て思ったなあ…。
夏野→男子高校生。田舎を嫌悪するひねくれ者(笑)。思春期ですな! でも最期をむかえるまでは嫌いだったなー。友人は徹。徹と夏野のあのシーンは、涙出そうになったな…。あれはいい場面だ…。
恵→女子高生。こちらも田舎を嫌っている子。夏野に恋心を抱いている。…嫌い(笑)。性格悪い。吸血鬼になったら拍車がかかったような気がする。
沙子(すなこ)→引っ越した謎の家族の子ども(少女)。冷静で理知的な女の子。静信との逢瀬…というと語弊があるな…でも逢瀬でいいや、逢瀬での会話は好きだな。イメージ的には、幼くした栗山千明だなあ。
かおりと昭→姉弟。幼いながらも勇敢な…。かおりは恵に完全にバカにされてて…畜生恵め!!て思ったわ…。
大体こんなとこかなあ。でもまだまだ書こうと思えば書ける人は山ほどいる。性格の設定、よう考えたよなあ。
謎の家族が引っ越してきてから、村は死人が続出。さらに、死んだはずの人間を見た、という噂まで広がる。…そして屍鬼と村人達の戦い(?)が始まるわけだが…これ、どっちが鬼なんだか分からん。村人怖いわ…。恐怖にかられた結果だからしょうがないかもしれないし…村人を批判することはできないんだよなあ。難しい。
村の様子がどんどん変わっていくのは、読んでいるこちらもだんだんと不安になる…。結果騒動は終焉をむかえたけど…なんとも…悲しい終わり方だったなあ、と思う…。
1998年9月。