向日葵の咲かない夏

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

ネタバレ注意であります。
帯につられて買った文庫。現物が無いので何と書いてあったかは覚えてないけど、えらく絶賛されたコメントがあったはず。
主人公は小学4年生のミチオ君。他に3歳の妹、ミカ。死後、とある姿で生き返った?S君。
この話は…ミステリだけど、…ファンタジーなの…か? 何とも不思議な…。死んだ後、虫になって復活したS君の存在は…ちょっとした伏線だったんだなあ。
謎が明かされるまでは、謎が謎を呼ぶ感じで一気に読んだものだけど、真相は何だか…ううん、え?みたいな。そんなのありなの? と。びっくりする要素ではあるのだけど、一方で肩透かしをくらった気がしないでもなかったなあ。
それにしても、小学生なのにミチオは喋り方も言葉も大人っぽすぎる! 大人しめの高校生と言われたら、ああそうだね、て思っちゃうよ。あと、ミカも3歳なのに幼児というより女性、話し方が。まあこれは後で明らかになるのだけど。…それにしたって、人生経験ほとんど無いのにあんだけ言葉を発することができるてのは、矛盾を感じざるをえない。
ミチオって、一体どんな世界に生きているんだろう。成長したら、どんな大人になるんだろう。気が狂っているのは間違いないと思うのだけど、何でヒト以外の生物と会話ができるんだろうね。そこは本筋にはあまり関係ない疑問だが。母親がミチオに辛くあたる原因となった事件が発端なんだろうな、とは思う…。となると、この会話は全てミチオの脳内でされてることになるんかなあ。それとも純粋にファンタジーで、ほんとに会話してるのか…。うーん。
そんなミチオ、母、あとS君が死んだ原因など、ぞっとする要素が色々ある。
ただ、最後…エピローグはようわからんかった。結局たいした問題解決はしていない、てことでいいのかしら。
2005年11月刊行