QED 百人一首の呪

QED 百人一首の呪 (講談社文庫)

QED 百人一首の呪 (講談社文庫)

タイトルに誘惑されて(笑)買ったものの、えー…これは一体何の小説ですか?みたいな。ミステリかと思いきや、本筋は完全に百人一首の謎についてだった。曼陀羅がなんとかかんとか…。推理部分はおまけみたいな印象(笑)。QEDというタイトルだが…何の証明をしたんだろうか。作者の百人一首に関しての知識は、すごく勉強したんだろうなあ、好きなんだろうなあと思ったのだけど…それだったら、推理小説という形をとらなくても良かったんではなかろうか。推理小説にするんなら、もっと別のさ…。何となく、京極的な香りはするのだけど、あのレベルには到底…という感じ…私が京極作品好きなせいもあるやろけど。
…それにしても、探偵=変人てのは基本設定だねぇ。基本であるがゆえに、どう違和感なく読者に性格などを浸透させるか、てのが大事なんだなあと思った。それと、一緒に動く人にもそれがあてはまるなあ。
百人一首関連の話が多すぎて、本筋であるはずの殺人事件はどんなんだったか忘れたよ(笑)。そもそもの発端は、殺された人物が百人一首マニアだったことで、その話を聞いた探偵役が、なぜか百人一首自体の謎に熱を入れあげた、ていう(笑)。
批判しちゃったけど、ラスト(殺人事件の方)は良かったと思う。結構好きだったな〜。百人一首の謎解きも、無駄ではなかったと。…てことはやっぱり、京極色がする…ということになってしまうんだなあ。
途中までは、百人一首の薀蓄をちゃんと読んでたんだけど、そのあとはもうすっとばしてた(笑)。特に必要なかろう、と勝手に決めさせて頂いた…。
1998年12月刊行。