ピース
- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 45回
- この商品を含むブログ (63件) を見る
読了後、それについて考えてみた…。確かに読む前とは印象は全く変わる。しかし恐怖は感じないなあ。それよりも怒りとか不快感の方が大きいような。それも、この話の犯人の気持ちを慮った上での感情だろうなあ。そうでなければ、「何だこいつら!」くらいで終わっているだろう。多分。
終始存在が気になっていた男性が、まさかの探偵役で驚いたなー。皆の前で推理を披露するんではなく、犯人とサシで話し、しかも自首を勧めることもしないという、現代人ぽい探偵役。結構かっこよさげだし、人生に対するスタンスもなかなか(実際にいたら嫌だが)だけれど、まわりにいる女がなあ。ちょっとなあ。そのあたりの描写はちょっと嫌だった。
殺人事件が何件か起こり、謎を追究していく流れは面白かったな〜。犯人はかなり意外だった(というか存在感が…)し、動機もこれまでに無いようなものだったので「ほほう」と思ったけれど、ちょっと唐突だったかもなあ<動機に関して。そういえばそんな単語、ちょこーーーーーっとだけ出ていたような気がするが、やっぱ唐突だったなあ。それに、様々な伏線や謎は全て解決されるわけではないのがよろしくない。え!?となるよ。最後だというのに。謎を明らかにしてほしかったなー。
舞台となっている街や店や人の雰囲気は、結構良かったな。