九月が永遠に続けば

九月が永遠に続けば (新潮文庫)

九月が永遠に続けば (新潮文庫)

書店で平積みされていて、ポップにはえらい派手な宣伝文句が並んでいた(まほかる現象がどうだの、ラストがどうのこの)ので、「ほほう」とばかりに購入し、数日後に読了。ミステリ小説じゃない小説を読むのはどんだけぶりかなあ。
突如失踪した息子を案じる母親が主人公で、ストーリーはその母親が息子を捜索するというもの。息子の友人関係、母親に黙っていたこと、感じていた本心などなどが次々と明らかになったり、謎のままであったり。
結局息子にはあっさり遭遇するのだが…何というか…何と表現していいものか…。あまりにも勝手だし、それは本人も理解しているのだろうけれど、何よりも生理的に無理!と感じたなあ…。何だろうあの気持ち悪さは…表現できないわ…。
そして元夫の現妻の忌まわしい過去は、昔読んだ漫画を思い出したなあ。「飼育係・リカ」という大変大変マイナーな漫画だが。あと、昔実際に起こった事件も思い出したな…。怖いといえば、この人の存在くらいが怖かったかもしれんなあ。
最後までよく分からんかったのは、一人フルネームがカタカナで表現されている女子が出てくるのだが、あれは何故? 最後、漢字が明らかにされたけれど、意図が分からんかった。ボヤーンとしたイメージを引き締めるため? 謎。
息子を案じる母親は大変に痛々しいのだけれど、物語に対して妙に淡々とした印象が消えないのはなぜだろう。小説としてはあれ?と思うものの、現代っぽいリアルさを感じた。恐ろしくなるほどの淡々とした話って、「現代だわ…」と思う。あまり良くないよなあ、こういうのって。現代って無機質な一面を確実にもっているよね、と改めて感じた。この本を読みながら(本筋とは関係ないけれども)。
どうなるの?!と思いながら読み、なるほどねーで終わった今回の小説。まあ、あの宣伝文句に踊らされたなと。色々作品出ているみたいだけれど、またの機会でいいやー(読む前は、色々出てるんだ〜、とワクワクしたもんだけど)。