読書感想文(三冊分)

塩狩峠 (新潮文庫)塩狩峠」 三浦綾子
何の気なしに読み始めたこの本。予想に反して一気に読んだ。
裏表紙には「愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う」と書かれているのですが、読了したあとにこの文を見たら何故か背筋がぞくぞくとなりました。何故だろう…。
色々な書評を見ても、やはり感じることは同じようなことで。私も例にもれず、人生とまでは言わないまでも、生活の中で起こる一つ一つのことを大切にして、生きていかなきゃなぁと思いました。それだけで、自分が少し成長するような気がします。
主人公の信夫の精神的な成長を、このお話では見ることができるのですが。自分の命を捨ててまで乗客の命を助けたことに関しては理解が出来ますよね、…と問い掛けてみる(笑)。ふじ子にとっては辛いことこの上ないと思いますけれど。でも彼女はきっと、彼の行動を理解して、受け止めることが出来るはず、と思います。
ふう。感想を書くのに何故かすごく気を使った(笑)。ああ、良い本読んだ。心からそう思えるお話でございました。


海辺のカフカ (下) (新潮文庫)海辺のカフカ (上) (新潮文庫)海辺のカフカ」 村上春樹
読了後まず思ったことは、掴み所のない話だったな、と。シャボン玉みたいにフワフワしてるんじゃなく、一つ一つの物事がしっかりしてて、自分自身がどう捉えていいか…という不安を感じたのかな、と自己分析。なんというか、レベルが低いってことです、自分の(苦笑)。正面からこの話を受け止められる能力がない…みたいな感じ。
とはいえ、受け止められるところはしっかりと受け止めました。主に、カフカ少年の思考に共感を覚えるところがちらちらあって。きっと忘れてしまうんだろうけど、覚えていたいと思った。
自分的にアイタタタ、と思ったのは、ミステリばっかり読んでいると、ジョニーウォーカーをナカタさんが殺した事柄について「これは一体どういうことだったのか?」と思ってしまったことかなぁ…。そこが残念。これは村上作品だということを忘れて、一時読んでしまった…反省。でも、「どういうことなのだろう」という視点で読んだことには意味があるかも、と今では思う…かな。


美女入門 (角川文庫)「美女入門」 林真理子
基本的に、この作家はあまり好きじゃない(苦笑)。こういうエッセイを読んでいると感じる。が、友人曰く小説は良いらしいので、いずれ読もうと思ってます。
好きじゃないと感じるのは、言っていることに共感を覚えてしまうから。何じゃそりゃ、という感じだけど。
嫌悪感を感じながら読むんだけど、共感してしまうからパート2、パート3と読んでしまうのだ。これ不思議な感覚。