気をつけよう

火車 (新潮文庫)

【ネタバレ有り】
過度の期待をもって読んだのがダメだったかも知れない。いや、すごく面白かったのだけども。というのは恐らく、カード破産だとか何軒もの消費者金融から借金をするとか取立てだとか、そういったことの怖さをニュースやドキュメンタリー番組で見知っているからかと思われる。とはいえ、勉強になったこともたくさんあって、これから社会人として生きていくためにはもっとちゃんと知らなければいけないな、と思わせられたことには意味があったと。それに、今は普通に制御できているクレジットカード使用を、今後とも気をつけていこうと。
内容は、突然失踪した女性を探し出すという…ものすごく簡単に言えばそういう内容。住民登録とか戸籍を用いたりしての捜査は…そういったことに疎い（知っとけよ…）私にとっては理解するのにちょっと時間が必要だった（苦笑）。だからかわからないけど、「そういうこと*1って本当に可能なのかも…」と思い、ちょっとハラハラしながら読みすすめていった。そういった意味で、新城喬子という人が途中からすごくかっこいい女性に見えてきた(´Д`)　彼女のような人生はゴメンだけれど、そのような状況の中であんなにも逞しく生きられるなんて出来ないと。この逞しく生きるっていうのは、ラストシーンの登場の表現を見て感じたことで、本編中にはそういった書き方はされていないのだけど。
そう、この本を読んで思ったこと。よく現在の消費者金融のコマーシャルを批判する声を聞きますが。確かにどうかとは思うけれど、グラビアアイドルや動物などを使用してるからって、門戸が開かれてると錯覚する方が馬鹿だと。そう思う。

*1:本編参照。