{小説]みつしり…

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

【ネタバレ有り】
再読。再読だけあって、結構すらすらと読めた(読書スピード遅いの…)。
このハコは私が初めて読んだ京極作品。
京極作品は順番どおりに読め、ってことを知らなかったため、初読の時は「んん?」と思ったことがちらほら(笑)。
でも今回は二度目なので、内容も大体覚えていたしキャラについても知ってたしで、大変楽しく読めた。
妖怪シリーズはまだ全て読んでいないのだけど*1、今のところハコが一番好きな作品だなぁ。
「境界」を越えたたくさんの人に魅せられたというか。ただ、美馬坂と陽子の関係には顔をしかめずにはいられなかったけど。近親相姦は苦手…。
この話で一番印象に残ったのはやっぱり、「みつしり」や「ぎう」といった音。ストーリーとの関係も相まって大変に不気味…。しかも点付き…(笑)。文章だけだけど、箱に隙間無く埋まってるのが簡単に想像できて、ゾゾッと…。
そしてやはり、二回目でも衝撃だったのは雨宮の動き。彼はあの後、どう「幸せ」になるんだろ。彼女の体が腐っていくのを目の当たりにしても、「幸せ」を見つけられるんだろかねえ。うーん。

*1:現在「塗仏の宴 宴の支度」を読み終えたところ。