おいしい銀座 1〜4

おいしい銀座 1 (オフィスユーコミックス)

おいしい銀座 1 (オフィスユーコミックス)

4巻まで読。銀行をリストラされた女の子が、幼い頃よく母と行っていたデパートに再就職し、持ち前の明るさと行動力とアイディアで地下食品売り場の活性化を次々と成功させていく漫画。
主人公は絵ではもっさいけど、一生懸命働くところに感情移入しちゃうなあ。シビアなゼネラルマネジャーとの関係もいい感じ。デコボココンビ(笑)。でも、現実的に考えると重いなあと思ってしまった。そのマネジャーは幼い頃に仲のよかった男の子で、主人公の真理は父親を火事で亡くしているのだけど、死の理由は男の子を助けたため…という。マネージャーの大きなトラウマにもなっているようだけど、真理が温かく大きな心で包んであげて…できた子だわ…。
1巻は、「生鮮売り場の撤退を食い止める話」「卵のグラタンの話」「伊勢海老フェアの話」。
商売の難しい生鮮売り場の撤退を迫られ、それを防ぐために皆が立ち上がり、病気を予防したりそれに効く料理を出すことで、何とか撤退を免れた。結果が無いと撤退を迫られる…シビアな世界だわ…デパート…。こういう企画ものがあるのがデパートの面白いところだよな〜、スーパーでもおっきくこういうことやって欲しい…庶民として…(笑)。有名なお店とかはいいから、いつも同じ惣菜じゃなくて食生活が乱れがちな一人暮らしの人用のお弁当とかおかずとか。ポップとかで一言添えたりしてさ。そういうのいいな〜。
2巻は「まぐろ解体ショー、寿司店誘致」「ぱっとしない和菓子コーナーを変える」「天ぷら屋」の3篇。
1話目は、弟子に暖簾分けしたお店がデパート(カドヤ)に出店。それと一緒に解体ショーのための一本釣りした本マグロを青森までゲットしに行く話。いやしかし、勉強のために真理が食べてたまぐろづくし、美味しそうだった〜。フェアで出すためのまぐろ料理を、真理がノートに書いてたけど、真黒丼とか反転すし(ネタが下、シャリが上)とか、面白かった(笑)。
2話目は、真理の同級生(和菓子職人)がカドヤに店を出すことになった話。女であることが職人としてネックで、それと闘うため修行していた同級生と真理が、出店を認めてもらうために和菓子を一緒に考える。職人になるためのきっかけだった鞠をモチーフにして作った和菓子、白黒の絵だけどめちゃ涼やかで美味しそうだったな…。デパートの和菓子売り場てあまり行かないし、そもそもあまりじっくり見ない…勿体無いことだったんだなあと思った。四季のある和菓子…今度から目を向けてみよ。
3話目は、天ぷら屋の撤退を真理が止める話。腕もあり長く勤めてきたおばちゃんと、その常連さんを守るため。油!というマイナスイメージがあるから、あまり天ぷらて目を向けてこなかったけど、一昨年くらいに友達と天ぷら屋へ行って、たくさんの料理が出てきたことに驚いたのを思い出した。あげたての天ぷらてすごく美味しいよね…パリパリであつあつで…ご飯との相性もよく…(個人的に)。
数々のアイディアや行動を評価され、2巻ラストで早くも出世。すげー。食品部担当から、副責任者へ。
3巻は「お米」「点心」「ピエスモンテ」の3篇。
1話目はあまり注目されない、有名な米以外の米に焦点をあて、色々なお米を食べてもらおうという企画を実行する話。気に入った米をブレンドしてみたり。食べ比べしてみたいな〜世には300種(だっけ?)のお米があるとのことで…どんな違いがあるのか知りたいなあ。
2話目は飲茶のお話。点心好きなので、漫画読みながらよだれが…。超有名な中国料理店の誘致を頑張る真理と、点心職人になろうと頑張る中国人留学生の女の子。伝統を守り続けてきた点心は素晴らしいが、デパート向けではないと判断した真理に反論を唱えた女の子だけど、作った点心に個性が無いと尊敬していた点心職人に言われてしまい、協力して新しい点心を考え出し、結果誘致に成功&女の子は職人への弟子入りを許可された。真理たちの努力の結果とはいえ、カドヤには次々と良いお店が入っていくなあ。こんなデパート行ってみたいなー。でもそれには、飲食店に精通してないとだし、舌も違いがわからんと楽しくないよな〜。
3話目は、各デパートから出したパティシエのコンクールでの対決のお話。カドヤからは若い男の子パティシエが。真理に気がある子のようで、コンクールの作品で作ったのは真理をイメージした女神。…すげえ…真理…やるな…。本人は鈍感な様子で、全くその気持ちには気づいていないようだ…可哀相に。パティシエはフランス修行時代に日本人として辛いことがあったけれど、優勝したことでその問題も解決、カドヤはバレンタインデー商戦も成功、といいこと尽くし。真理は昔の男に利用されちゃったが…。
4巻は「焼き鳥」「うどん」「カレー」
1話目はスローフードをデパートで取り上げようということで、焼き鳥をデパートで扱う話。スローフードについては、ゼネラルマネージャーが冒頭で軽く批判してたけど、私もそれに同感。スローフードなんて元々当たり前のもので、取り上げる取り上げないというものではない、という。それはともかく、デパ地下で焼き鳥なんか焼いたら、香ばしい匂いが広がるだろうなあ。良いのか悪いのかわかんないけども、お祭りっぽくて楽しそう。
2話目はカドヤでHOT&COOLという企画をすることになり、各地のうどんを取り上げるお話。この話から、宣伝部(後のバイヤー)の気の強い女の子が出てきた。体で仕事取ったんですか?と真理に言い放ってた。失礼すぎる。それはともかく、企画内容は課長以上の職位の人が現場に立つという試みがなされてて、おお、と。頭でっかちになりがちだからのー内部にいる人というのは。ま、しかし私はそばの方が好きなんで、あまり食指の働かん話ではあった(笑)。あ、そばって白くて太いうどん(関西)に対抗して江戸の人が食べ始めたのだとか。へえ〜。
3話目は、大衆食のカレーをカドヤで取り上げる話。それにあたり、閉店してしまったけれどなおも人の思い出に深く根付いている「銀葉亭」の味を復活させようと、真理が奮闘。カレー試作にキッチン使っていいぞ、と合鍵を渡すマネージャーの真意がよくわかんない(笑)。でも二人がその部屋で食べた夜ご飯のカレーは、お店で食べられるようなものでなく、母の味のする一般的なカレー。真理が作ったカレーは亡くなった父のレシピにあったものだったけど、実はマネージャーの母が書いたレシピで。突然涙を流すマネージャーを、再び真理は優しく抱きしめて慰める…。というとこで終わってしまった。次巻に続くみたい。二人の関係て微妙だなーとか思いつつも、まぁくっつくんだろうな。
何年経っても味が思い出せる飲食店かー。私の場合はニシムラのパンケーキとバニラアイスだな、確実に。たいした思い出があるわけではないが、大切な記憶だな。その店はもう無いけど…(涙)。本店はあるけど、幼い頃に行ってたのはテナント。そちらの思い出の方が強い。今でもはっきりと内装や雰囲気を思い出せるなあ…。