探偵倶楽部

探偵倶楽部 (角川文庫)

探偵倶楽部 (角川文庫)

東野作品、ミステリ短編集。探偵役はVIP専門の調査機関「探偵倶楽部」。理知的な男性と女性が一人ずつ出てくる。んだけど、せっかくの素材なのにこの二名の掘り下げがなかったのが勿体なかった…。この二人のこと、もっと知りたい!
この人の物語の締め方がたまらん。含みを持たせるというか、怖い感じでばっさりと終わる。殺人事件の謎が明らかになっていく過程も好き。この小説の場合は、報告書であったり、普通に探偵との会話であったり。
会員制という特殊な機関のため、それに見合わない人が依頼し、愚かなラストを向かえる話が面白かったなー。探偵の「我々も反省しなければなりません。会員のレベルを下げたために…云々」というセリフが小気味良かった(笑)。
収録された短編は、どれもこれも読むのが面白い。叶わない希望だと思うけど、続編が出たらいいな〜。
1996年刊行。