ステップファザー・ステップ

ステップファザー・ステップ (講談社文庫)

ステップファザー・ステップ (講談社文庫)

久しぶりに宮部みゆきを読んだな〜。いや〜すっごく面白かった!! あっという間に読んじゃった勿体無い!! これシリーズ化しないかなあ、もっと読みたいわあ。
登場人物達の会話がすごく楽しい&時々はっとするようなセリフもあるのがとても良かったなあ。主人公はプロの泥棒で年齢は30代半ばだった…はず。そういや本名出てきたっけ? そして、中学生の双子(男の子)。両親ともにW不倫の末、双子を実家に放置中。とはいえ、双子は取り残されたことに困りつつも、妙に飄々としている。背景が背景だけに、これは救いだったかもなあ。この三人がメインキャラクター。
泥棒が仕事中に雷に打たれる→双子に助けられる→双子の境遇を聞く。大人不在という状況に困っている。協力して?→断る→通報するよ?と脅される→「お父さん」になる。…といった、面白い流れで話は進んでいく。1冊に7話収録されていて、1話完結。人は死んだり死ななかったり。重すぎず、軽すぎずな按配。
面倒なことになったなあと嘆く主人公が、だんだんと双子に情が移っていって、実の両親の存在を考えてもやもやしたり、わざと双子から距離を置いたり、ヤケ酒をかっ食らったりするのがとても微笑ましい! シリアスな場面ではあるのだが、口元は緩んでしまったねー。
1993年刊行。