岳 14〜18

岳 18 (18) (ビッグコミックス)

岳 18 (18) (ビッグコミックス)

ずっと読み途中だったのだが、やっと続きを読むにいたった。その間に完結してるし!
読むのをしばらくやめていた理由…。漫画を読みたい!となる周期がなかなかこなかったことと、大変大変不謹慎だけど漫画内で死にいたる事故の描写が減ったような気がして、物足りなさを感じていたのだ。
ところが。某動画サイトで登山動画を見るようになってから(自分は登山しないけれど)、自然と見方が変わり、「岳ってそういう漫画じゃない!」と考えを改めるにいたった。三歩が山にいて、色んな登山者と接して、それがいいんじゃないかと。
まあそんな感じで読み始めたわけだけど。完結に向けてストーリーは大変シリアスに…。ボランティア救助だったかをしている口の悪いおっちゃん(いい奴)の、「三歩を褒める奴は誰もいない」的な言葉が妙に胸に残ったなあ…。そして「自分のためにクライミングしているか?」という会話から、怒涛の展開を迎える。それと平行して、エベレスト登頂をめざすチームの話もスタート。
ネットカフェで読んでいたのだが、開放席でネトゲに興じる団体若者の声も聞こえなくなるくらい話にのめり込んだ。三歩がソロクライムする場面もあるけれど、エベレスト登頂の話が主で、高度が上がるにつれきつくなっていく環境と体のコンディション、そして荒天。猛吹雪…。「孤高の人」もそうだけど猛吹雪の描写がすっごい。なんという絶望感。アクシデントもたくさん起こる…。読みながら、どれだけの人が助かるんだろう…誰も死なないでくれえと思っていたところ、無事に登頂を果たした別の山からかけつけた三歩(何という超人)。ほんとホッとする! 少年漫画で言うところのヒーロー! 泣いてはいないけど、涙なしには読めん!(矛盾!) 装備も完璧とはいえないし、猛吹雪だし、ただでさえ危険なエリアを、遭難しかけていた皆を助けるために行ったりきたり…。やっとこ全員救助し、さあはよ下山しろー!と思ったところで、救助を求める無線(?)…。発信者がルールを無視したチームの人だってのが本当に悔しかったわ…。確か頂上かその付近にいたんだっけか。辿り着いたはいいけど、いつも笑顔で元気な三歩がもうね…。
結局どうなったかはっきり描かれなかったけど、あそこで力尽きてしまったんだろうなあ…(涙)。そして遺体は回収されていないんだろう。三歩らしいっちゃらしい最期だが、あまりにも悲しい…。
なんとなく、三歩の豪快な笑顔で終わるんだろうなあと思ってたから、予想外の展開にほんとびっくりした! コミック文庫になるんだったら買いたいなあ。